YEAR DIGEST 2024
TOP INTERVIEW
「音楽×ファンダム=?」その背景と未来図に迫る
スペースシャワーSKIYAKI
ホールディングス株式会社
代表取締役共同社長
株式会社スペースシャワーネットワーク
代表取締役社長
林 吉人
スペースシャワーSKIYAKI
ホールディングス株式会社
代表取締役共同社長
株式会社SKIYAKI
代表取締役社長
小久保 知洋
近年は推し活ムーブメントが追い風となり、アーティストとファンとの関係性がより強固なものとなりました。また、ライブ配信や電子チケットなど、エンタメ業界にもIT化の波が押し寄せています。そのような中、2024年4月、株式会社スペースシャワーネットワークと株式会社SKIYAKIが経営統合を完了し、スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社として発足しました。林吉人代表取締役共同社長、小久保知洋代表取締役共同社長に、今回の経営統合の舞台裏とその未来図についてインタビューしました。
両社のアセットを最適化した
経営統合
―最初に、今回両社が経営統合に至った背景について教えてください。
小久保SKIYAKIでは売上や会員数が順調に伸びている状況でしたが、ファンクラブ事業に特化して取り組んでいるだけでは、今後のドラスティックな成長を見込めないと考えていました。アーティスト側がファンクラブを作りたいと考えた時に、競合他社が何社かある中でSKIYAKIが第一想起されるには、常日頃音楽業界との接点がないと太刀打ちできないだろうと感じていたんです。そのような中で、スペースシャワーのような、大規模な音楽フェスを開催し、長年歴史のある音楽チャンネルを展開するなど、多くのお客様を集客できる力を持つ会社と一緒になれば、成長を期待できると考えました。
私は経営統合においては重要なことが二つあると思っていて、一つは会社のミッション・ビジョンが一致していること、そしてもう一つは社風が似ていることです。スペシャ経営陣の皆さんと協議を重ねていくにつれて、経営陣の考え方や社員の雰囲気がとてもよく似ていることを感じ取れました。最終的に、自分の中で経営統合を意思決定したのは、「POP YOURS」に招待いただいた時でした。あれほど多くのZ世代のお客様を引きつけ、熱狂を生み出している社員がいる会社なら、一緒になったらさらに新しい未来が拓けるだろうとワクワクしました。
林幼い頃、釣りが好きだった父から教えてもらった言葉のひとつに「汽水域」があります。汽水域とは、海水と淡水が混ざり合った河口付近の水域で、ミネラルが豊富で魚がよく育つ漁場ですが、私がエンタメ業界に身を置くようになり、様々な場所でコンテンツ企業とIT企業の相性の悪さを横目に見ながら、まるで海水魚と淡水魚の関係のようだと常々思っていました。そして、どう見てもスペシャは淡水魚ではないだろうとも(笑)。最近はITと切り離された新しいビジネスってありませんから、いろんな新しい取組みは汽水域で起きていると言えると思うんです。ただ、汽水域って誰でも入れるところじゃないんですよね。海水と淡水のどちらでも生きていけるように適応した魚だけが生きられる場所なんです。
『はて、海水魚であるスペシャはどうしたら汽水域に行って、そこに広がるビジネスチャンスを手にできるんだろうか?やっぱりスペシャには無理なのかな?』
そのような考えを巡らせていた頃に、SKIYAKIの話が舞い込んできたのです。SKIYAKIの第一印象としては、典型的なIT企業というイメージではなく、デジタル技術への苦手意識のある私にとっては驚きでした。さらに、SKIYAKIの経営陣とお会いしながら話を重ねるうちに両社の社風が似ていることもあり、最終的に経営統合を決断しました。
コンテンツの付加価値を高めてビジネスを拡大
―中長期的な成長イメージについて教えてください。
林先ずは、両社が持つ様々なソリューションを統合して、アーティストやクライアントにワンストップで提供できるソリューションプラットフォームを形成することです。社会って広い意味で分散化に向かっていると思うんです。中央から地方へ、大企業からベンチャーへ、そして個人へと。エンタメの世界でも、「個人へのパワーシフト」は大きなトピックスになっています。
全ての機能を持つ大企業は別にして、それ以外の企業や個人にとっては、アーティスト活動を支える全ての機能を自前で持つことは不可能ですし、また効率的でもありません。そうした人たちに、彼らが必要とするソリューションをトータルで提供できるようになっていきたい。そして、スペシャが放送メディアやアーティストマネジメントなどを通して培ってきた知見を生かして、それぞれのソリューションをつなげた展開プランをアーティスト目線で提案することができたら、より付加価値の高いサービス主体になっていけると思うのです。
また、それと並行して進めたいのが、スペシャが保有するコンテンツの価値をSKIYAKIのデジタルプラットフォームを活用して高めていくことです。当社はデジタル展開が苦手な会社でしたが、SKIYAKIと統合したことで、スペシャが有するコンテンツの領域が格段に広がっていくと確信しています。その部分はできるだけ早く取り組んでいきたいと思っています。
少し足の長い話でいうと、スペシャはある意味音楽に特化した企業ですが、SKIYAKIは音楽に留まらず、幅広いジャンルの企業と取引されています。そうしたSKIYAKIのビジネスの延長線上に、将来音楽以外のジャンルで新しいエンタメコンテンツを開発していければ最高ですね。
エンタメの世界でも分散化は進んでいて、ジャンルは細分化され、いろんなジャンルに様々なシーンが存在して、ある意味多様性豊かな世界になりつつあります。SKIYAKIチームとも連携しながら、いろんな領域で新しいコンテンツを提供していくことで、コンテンツとソリューションの間にエコシステムを生み出していくことが中長期的な目標ですね。
小久保「個人へのパワーシフト」に向けてBitfanを進化させるということは、この数年SKIYAKIが取り組んできたことですが、激変するエンタメ業界において、お客様の課題をより幅広く解決する企業体になることが重要だと考えています。そのためにはお客様がビジネス全体を通じて、何に困っているか?を深く理解することが必要ですが、今後お客様から求められる企業姿勢は、「いかにアーティストやビジネスの成長を一緒に考え、伴走してくれるか?」というものになってくると思うんです。
例えば、アーティストが楽曲をリリースする場合、配信のスケジューリングを皮切りに、PVの制作、ファン向けのリリースイベント企画、ライブツアーのチケット販売、フェスやイベントのブッキングなど、様々な関連する業務が発生します。マネジメントはこれを一つ一つ連動させるように企画を考えるわけですが、それぞれ委託している事業者に、全体像を理解して制作をしてもらうことは、とても大変な作業だと思います。
私達は今回の経営統合で、お客様のビジネス全体を通じて提供できるサービスの幅が大きく広がりました。「スペースシャワーSKIYAKIホールディングスグループにお願いすれば、まるっといい感じにやってくれる」ということを目指して、まずはグループ内にある各サービスの点と点を結ぶ作業を開始しているところです。また、中長期的には、アーティストやクリエイターのビジネス全体をサポートするために、M&Aも含めて、提供できるソリューションの領域を拡大していきたいと考えております。「個人へのパワーシフト」が起きていくエンタメ業界において、お客様のニーズを的確に汲み取り、ソリューションを提供し続けることは、幅広い事業を展開する当社ならではの強みだと考えております。
エンタメ業界での
事業領域を拡大し、
企業価値の向上を目指す
―最後に、株主へのメッセージを教えてください。
林早いもので、スペースシャワーネットワークが音楽専門チャンネル「スペースシャワーTV」を開局して今年で35周年になります。開局当時は何せまだインターネットが登場する前ですから、隔世の感があります。CS放送は黎明期で、視聴可能世帯数も少ない時代でしたが、音楽好きの人たちに才能ある新しいアーティストやグッドミュージックをキュレーションしてお届けすることで、アーティスト活動をサポートするとともに、音楽好きの人たちに感動を届けていきたいという思いが原動力でした。そしてその思いを軸に、この35年の間に事業領域も広がり、いまでは夏フェスをはじめとした音楽イベントの主催、レーベルやアーティストマネジメント、ディストリビューション、映像制作などなどエンタメ領域で幅広い企業へと成長してきました。
しかし、我々を取り巻く社会環境や事業環境は劇的に変化していますし、変化の速度はこれからもっと加速していくことでしょう。そうした変化に対応していくために、今回SKIYAKI社との経営統合という道を選択しました。経営統合のプロセスは決して平坦ではないと思いますが、ダーウィンが言うように、「最も強いものではなく、最も変化に敏感なものが生き残る」のだと私は思っています。変化を楽しみつつ前向きに捉え、SKIYAKIチームと力を合わせて、新しい魅力的なコンテンツやサービスを提供することで、企業価値を上げてまいりますので、株主の皆様には引き続きご支援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
小久保足元のシナジー効果としては、スペシャのシステム内製化や、両社サービスの単純な掛け合わせなど、成果が出やすい部分から着手しております。今後、本経営統合によるインパクトのあるニュースリリースを、早期に出せるように取り組んでいきたいと思います。
2024年4月に経営統合し組織の交流が始まったばかりですが、やはりスペシャには様々な事業と、それを支える優れた人材が揃っており、日々頼もしさを感じております。もちろん、SKIYAKIにも音楽やエンタメに情熱を持ち、業界に貢献しようとする社員が揃っています。今後、オフィスが統合することによって人材交流が活発になり、未来へ向けて新しいアイデアが生まれることを非常に楽しみにしております。
中長期的には、エンタメ業界のパラダイムシフトの中で、当社グループがアーティストだけでなく、幅広いクリエイターの最良のビジネスパートナーとなれるように、事業領域を拡大していきたいと思います。
株主の皆様のご期待に応えるよう、グループ一丸となって企業価値を最大化できるように取り組んでまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
TOPICS
SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024
スペシャ開局35周年を記念した春のラブシャ「SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024」終始、富士山が美しく顔を出す2日間が閉幕!
2024年5月11日(土)、12日(日)の2日間、春の野外フェスティバル「SPACE SHOWER TV 35th ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024」を、世界文化遺産・富士山と山中湖畔を望む自然豊かな山梨県山中湖交流プラザきららにて開催いたしました。
スペースシャワーTV35周年を迎えることを記念し、今年は春夏年2回開催となった「SWEET LOVE SHOWER」。1日1万人限定開催、被らないタイムテーブルで夏より長い演奏時間、中学生までのお客様は保護者1名同伴につき1名無料、さらにラブシャ史上初のキャンプエリアや新たなアトラクション「HOBIE」の登場など、夏とはまた違う山中湖と音楽の楽しみ方を提案しラブシャスプリングらしさを追求した2日間となりました。
POP YOURS 2024
LEX&Tohjiが表現した
新世代のヒップホップ観
43組が熱演した『POP YOURS 2024』
2024年5月18日(土)、19日(日)の2日間、国内最大規模のヒップホップフェス『POP YOURS 2024』を、千葉・幕張メッセ国際展示場9-11ホールにて開催。
3回目となる今年は、日本のヒップホップをリードするヴァラエティー豊かな43組がラインナップされ、会場には2日間合計で3万5,000人が来場、また公演の模様は今年もYouTubeで生配信され、総視聴者数は56万人、視聴回数は160万回を記録しました。
Fanclub
ホリプロの公式ファンクラブサイト
「ホリプロ・スクエア」を
リニューアルオープン!
新たにプレミアムプランを開設!
2023年12月1日(金)、ホリプロ公式ファンクラブサイト「ホリプロ・スクエア」をリニューアルオープンしました。所属タレントの出演舞台やファンイベントのチケット先行をはじめ、メルマガ配信や、写真・動画配信、フォトギャラリーなど、盛りだくさんの会員限定コンテンツをお楽しみいただけます。
サイトデザインを一新しただけでなく、会員プランの拡充とコンテンツ充実のため、新たに月額550円(税込)の「プレミアムプラン」を開設しました。マガジンなど、プレミアム会員限定のコンテンツをお届けします。
Fanclub
人気マンガ「宇宙兄弟」
作者・小山宙哉の公式ファンクラブ
「コヤチュー部プレミアム」を
リニューアルオープン!
2023年9月1日(金)、漫画家・小山宙哉の公式ファンクラブ「コヤチュー部プレミアム」をリニューアルオープンしました。
マンガ作りの裏側や新しい取り組みを、よりファンの皆様と一緒に楽しめるように、サイトデザインを一新。有料会員への登録で、限定配信の壁紙や、作者小山宙哉のラジオ「ノンノバビア」、限定グッズやイベントなどをお楽しみいただけます。
リニューアルに伴い、小山宙哉が脚本を手掛けたオリジナルアニメ「宇宙兄弟#0 小山宙哉 Special Edition」の限定配信をはじめ、期間限定で5つのリニューアル企画を実施します。
あっとほぉーむカフェ
「あっとほぉーむカフェ」20周年記念、
メイド330人が集結する
初の総合イベント
『あっとフェス2024』を開催!
2024年5月3日(金)、4日(土)、ベルサール秋葉原1階イベントスペースにて『あっとフェス 2024』を開催しました。
2024年に創業20周年を迎え、20年分の感謝をお届けするために『あっとほぉーむカフェ20周年アニバーサリーイヤー』とし、様々な企画を実施。そのオープニングイベントとして、5月に本フェスを開催しました。
会場内の特別チェキブースで、本フェスのためだけに作った4つのテーマの背景で撮影できるチェキ大撮影会のほか、あっとほぉーむカフェに所属する全メイドとバーチャルメイド総勢606人のソロチェキ展示ブースやドラマチック謎解きゲーム、あっとジャンボくじなど、見どころ満載のフェスイベントとなりました。