TOP INTERVIEW
中期経営計画の初年度は
大幅な増収増益を実現
各領域の強みを生かして
さらなる成長を目指す
経営統合から1年が経ち、スペースシャワーSKIYAKIホールディングスは2028年3月期を最終年度とする中期経営計画のスタートを切りました。2026年3月期は、売上・利益ともに大幅に伸長し、最終年度の計画をも上回る業績を達成。業績向上の背景、そして、さらなる成長に向けた今後の施策について、林吉人社長に話を聞きました。
シナジー創出に向けた
事業基盤を固め
地力の向上による
大幅な増収増益を実現
――2026年3月期の振り返りを
お願いします。
2026年3月期は、スペースシャワーSKIYAKI HDとして、大きな成果を生み出した重要な1年となりました。業績面では、中期経営計画「Ignite 2027」の初年度にして、最終年度2028年3月期の目標を大きく上回る結果となりました。
私たちは複数の会社を通じて多様な事業を行っていますが、多くの領域で成果創出につなげることができたと考えています。事業環境に恵まれた部分もありますが、総じて各事業の地力がついたことが足元の業績向上につながったと考えています。
――業績が大きく伸びた要因について
教えてください。
1期前の2025年3月期を振り返ると、経営統合に伴うオフィス移転や構造改革の実施、現行の中期経営計画の策定など基礎固めに注力した一年で、費用面でもそうした関連コストがかさみ、株主の皆さまから期待された成果を出すことができませんでした。2026年3月期は、2025年3月期に築いた基礎をベースに、本格的にエンジンをかけることができた1年だったと考えています。
コンテンツ事業が
トップラインを伸ばし
ソリューション事業が
底固い事業基盤を形成
――新体制で事業セグメントを
コンテンツ事業と
ソリューション事業に分けた効果は
どのように表れていますか?
セグメントを分けた狙いのひとつに、ひとり一人の従業員に「自分はどんな事業に従事しているのか」「何に意識をフォーカスするべきなのか」といったことを明確にすることがありました。コンテンツ事業は、良質なコンテンツを生み出すことで人々の心を揺り動かすこと、ソリューション事業は、クライアントの課題解決につながる優れたサービスを提供することにフォーカスする意識が高まり、非常に大きな効果があったと感じています。
――コンテンツ事業では
どのような成果がありましたか?
紹介したい成果はいくつもありますが、株主の皆さまの目に触れやすいトピックスとしては、「Suchmos」の活動再開ツアーが大盛況となり、「ハンバート ハンバート」の楽曲がNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の主題歌に採用され、NHK紅白歌合戦にも出演するなど、スペースシャワーミュージック所属のアーティストが大活躍した1年となりました。また、8月末に開催した「ラブシャ」(SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2025)も3日全て晴天に恵まれ、チケットが完売しました。お越しいただいたお客様だけでなく、参加してくださったアーティストの皆さんにも非常に満足いただけたと思います。
――ソリューション事業では
どのような成果がありましたか?
今年は、SKIYAKIのファンプラットフォーム事業が大きく伸長し、有料会員数が2025年3月期末との比較で38万人ほど増加しました。背景として、大きなレーベルとの契約締結や、複数のアーティストの移管が進んだこと、また、契約アーティストの人気が飛躍的に高まったことなどが挙げられます。プラットフォーム事業の売上は、有料会員数と単価が主な変数なので、ベースとなる有料会員数が大幅に増加したことは、来期以降の事業の安定化と成長につながっていくと考えています。加えて、デジタルディストリビューションでも、自社アーティストの楽曲だけでなく、受託しているレーベルの楽曲からも複数のヒットがあり、こちらも業績の伸長につながりました。
アーティスト活動の
変動を想定しつつ
収益増加に向けた
新たな体制を構築
――2027年3月期における
セグメント別の施策や展望を
教えてください。
コンテンツ事業は、各アーティストのリリース予定やツアースケジュールなどによって収益のボラティリティが大きくなる傾向があります。その意味で、2027年3月期だけを見るのではなく、2026年3月期から中計最終年となる2028年3月期までの流れをご理解いただいた方がいいように思います。
2026年3月期は多くの所属アーティストが活発に活動した結果、前年度比で4億円に迫る大きな増益を生むことができた超好調な一年でした。2027年3月期は、アーティストの活動が一部「端境期(はざかいき)」になる部分もあり、反動減は避けられないですが、とはいっても、2026年3月期に増益した分の1/3程度の減益幅に留まる見通しです。一方で、2028年3月期については、すでに一部発表しておりますが、所属アーティストの全国アリーナツアーが予定されていたりしますので、2026年3月期を超えるアーティスト活動を予定しているところです。2027年3月期は少し足踏みしますが、中計最終年に向けてしっかりと準備を進める一年にしていきたいと考えています。
ソリューション事業はSKIYAKIがファンサイト数と有料会員数をしっかりと伸ばしています。
特に2026年3月期は4Qだけで20万人近い有料会員増がありましたので、その分は2027年3月の業績成長に大きく寄与すると予想できますし、新規のサイト獲得も進んでいますので、2027年3月期以降も堅調に業績を伸ばせる見込みです。また、ソリューション関連でいうと、2025年4月に企業クライアントから音楽フェスなどを受託制作するスペースシャワーの営業チームを、ミュージックビデオ制作に強みを持ち、近年はライブの映像制作や収録などにも事業を広げてきたSEPに統合し、スペースシャワーエンタテインメントプロデューシング(SSEP)として再スタートしました。2026年3月期は統合初年度でしたので、大きな展開ができませんでしたが、2027年3月期には、新しい音楽イベントの受託制作案件の受注も決まっておりますし、2つのチームが一体化し、今後はさまざまなライブやフェスの現場においてもSSEPの活躍の場が広がり、新たなビジネスを生み出していけると考えています。
中期経営計画の見直し
事業の魅力と銘柄としての
魅力を両立
――中期経営計画の最終年度である
2028年3月期に向けた展望を
教えてください。
2026年3月期が好調に推移し、中計の初年度に中計最終年の定量目標値を前倒しで達成したことを受け、今回中期経営計画の最終年度目標をさらに上方修正しました。
2026年3月期の急成長をうけ、2027年3月期は少し足踏みする見通しですが、2028年3月期に向けてさらに成長ドライブをかけていきたいと考えています。2年後のことなので、2028年3月期についてまだ詳細にお話しすることはできませんが、先ほども触れた通り、2028年3月期はアーティストの活動もいろいろ予定されていますので、その部分での反転増益を織り込んでいます。SKIYAKIのプラットフォームは、有料会員数の増加によるベースラインの底上げと、継続的な案件獲得により業績も安定的に成長を遂げておりますし、インフィニアのエンタテインメントカフェも、昨年5月に出店した名古屋店が2027年3月期からは黒字化する見込みですし、引き続き供給不足感がある東京・大阪では出店計画を進めておりますので、SKIYAKIとインフィニアも2028年3月期に向けて成長を牽引していくと考えています。
――中期経営計画に関連して
事業の利益目標以外で
注視されている点があれば
教えてください。
事業の成長はもちろん重要ですが、株主の皆さまが注目される経営指標は当然意識しています。収益性や効率性を上げる取組みを進めた結果、すでに2026年3月期においてROEとPBRについても中計で掲げた目標水準をクリアできました。ROEについては、10%超を目指していましたが、2026年3月期で14.2%まで改善することができました。また、PBRについても、中計発表時点では0.75倍辺りに留まっていましたが、2026年3月末時点では1.34倍まで改善しました。今後もこうした指標をしっかり意識した経営を心がけていきたいと思います。
業績に応じた株主還元を実施
事業面と銘柄の保有魅力の向上を
両立させる
――株主還元について教えてください。
経営統合前のスペースシャワーは10円の安定配当を継続していましたが、統合後は中計を発表し、連結配当性向の目標を示し、累進配当を維持する方針を掲げてきました。2025年3月期は統合一次費用や構造改革費用などの大きな費用が発生した関係で、13円の配当に留まりましたが、今年はそうした特別費用も剥落し、業績をしっかり伸ばすことができましたので、2026年3月期は1株あたりの配当を25円まで引き上げることができました。また、今回中計の定量目標改定に際し、残り2年間の連結配当性向目標をこれまでの35%〜45%から40%~50%に引き上げ、累進配当を継続することとし、株主還元のさらなる充実を図っていくことにしております。
株主優待は、当社グループの事業の魅力を感じていただけるように、当社が主催する各種音楽ライブイベントへ抽選でご招待しております。また、クオカードによる還元は実物から電子化に変更して利便性を高めました。
自己株取得につきましては、これまでの方針通り年間2億円を上限として今後も進めていく予定です。
――株主の皆さまに向けて
メッセージをお願いします。
経営統合から3年目、中期経営計画の2年目に入りました。
統合による効果もあり、中期経営計画の初年度は非常に良い結果を残せたと考えています。とはいえ、事業シナジーの創出はこれで終わりではありません。コンテンツ事業とソリューション事業を2つの柱としてそれぞれ伸ばしながら、さらなるシナジーを生み出していきます。
株主・投資家の皆さまのご期待に応えられるよう、引き続きグループ一丸となって取り組んでまいります。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
FINANCIAL SUMMARY
売上高
2026年3月期 22,858 百万円 前期比 +10.8%
営業利益
2026年3月期 1,957 百万円 前期比 +123.0%
- 2026年3月期は、ライブ事業やアーティスト事業、プラットフォーム事業などが好調に推移したことに加え、前期に発生した経営統合に伴う一時費用の剥落によるコスト削減効果もあり、営業利益は前期を大きく上回る着地となった。
- 2027年3月期は、アーティスト活動の端境期に伴う反動減や放送市場の縮小影響が見込まれるものの、SKIYAKIのプラットフォーム事業やインフィニアを中心とした成長によりこれらを吸収し、2028年3月期のさらなる成長に向けた基盤強化を図る。
- 2028年3月期は、2026年3月期に中期経営計画の主要項目目標を一部前倒しで達成したことに加え、各事業の成長が着実に進展していることを踏まえ、中期経営計画最終年度の目標を大幅に引き上げ、さらなる業績拡大を目指す。
TOPICS
「ラブシャ」30周年を3日間開催で
盛況裡に終了
2026年開催も決定し、新たな一歩へ
「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2025」が、30周年を迎え、山中湖交流プラザ きららにて3日間開催されました。総勢90組超のアーティストが出演し、過去最高の8.5万人を動員。“ラブシャ”ならではの自然と音楽が融合した空間で、大きな盛り上がりを見せました。
節目となる開催を経て、2026年8月28日~30日の3日間の開催も決定。これからも世代を超えて愛される音楽フェスとして、新たな価値を届けてまいります。
「POP YOURS」が初の大阪開催
ヒップホップカルチャーを全国へ発信
国内最大級のヒップホップフェス「POP YOURS」が、2025年秋に初の大阪開催を実施しました。大阪城ホールを舞台に約13,000人を動員し、チケットは一般発売で即完売。Awich、LEX、Tohjiら人気アーティストが出演し、大きな熱狂を生み出しました。東京開催で培ってきた熱量をそのままに、関西圏へとカルチャーを拡張。日本のヒップホップシーンの“現在地”を体感できるイベントとして、大きな存在感を示しました。
所属アーティストが
話題作・大型公演で活躍
多彩な活動で存在感を発揮
Suchmosは約5年8ヵ月ぶりに活動を再開し、横浜アリーナ2days公演には20万件超のチケット応募が集まるなど、大きな話題となりました。国内外14公演のツアーも全公演ソールドアウトを記録。
また、ハンバート ハンバートはNHK連続テレビ小説『ばけばけ』主題歌を書き下ろし、『第76回NHK紅白歌合戦』へ初出場。ベストアルバム『ハンバート入門』も好評を博し、幅広い層から支持を集めました。
ナッジ社と資本業務提携を締結
Fintech領域へ新たな挑戦
株式会社SKIYAKIは、ナッジ株式会社との資本業務提携を締結しました。本提携では、ファンクラブサービスとクレジットカード機能を組み合わせた新たな金融サービスを展開予定です。ファン活動と決済体験をシームレスにつなぐことで、エンゲージメント向上と新たな収益機会の創出を目指します。エンタテインメント領域におけるテクノロジー活用を通じて、今後も新たな価値提供に挑戦してまいります。
「あっとほぉーむカフェ」
POP-UPを各地で開催
リアル接点を通じブランド価値向上
「あっとほぉーむカフェ」は、心斎橋PARCOおよび博多マルイにてコラボイベントを実施しました。心斎橋PARCOでは、コラボグッズ販売やメイド服着用体験に加え、メイドとのチェキ撮影会などを開催。博多マルイでは、福岡県で初めてとなる期間限定のPOP-UPカフェを初開催し、どちらも多くの来場者で賑わいました。
リアル空間での接点創出を通じて、ファンコミュニティの拡大とブランド価値向上を推進。今後も多様な展開を通じてIPビジネスの成長を加速してまいります。
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